おいしくって安全なお話2025年10号(冷凍食品の保存にかかわる不思議な現象)
忙しい毎日を過ごしていると、冷凍食品って本当に便利ですよね。手軽に調理できるだけでなく、保存が効くため買い置きしておくと便利な冷凍食品ですが、思いがけない現象がおこることがあります。今回はそんな不思議な現象についてお伝えします。
「冷凍食品の包材がパンパンに膨らんでいる」
冷凍食品の包装がパンパンに膨らんでいたら、大丈夫なのか心配になり食べるのをためらってしまいますよね。それは「昇華現象」が起きているのかもしれません。昇華現象とは、冷凍食品に温度変化が加わり、食品の表面に付いた細かい氷の粒が、氷(固体)から水(液体)にならずに、水蒸気(気体)になってしまう現象です。その結果、気化した水分の体積が増えて包材がパンパンに膨らむことがありますが、商品の品質に問題はありません。
微生物が繁殖してガスが発生し、包材が膨張する場合もあります。開封して腐敗臭がする場合には、召しあがらないでください。
「冷凍ケーキを食べたら舌がピリピリした」
冷凍ケーキやアイスクリームを食べたら、舌が突然ピリピリと感じたことはありませんか?その原因は、冷凍食品をお届けする時に保冷していたドライアイスにあるかもしれません。ドライアイスは炭酸ガスを固形化したもので、周囲から熱を奪いながら炭酸ガスに戻ります。この炭酸ガスが、冷凍ケーキやアイスクリームなどのクリームの部分の気泡に吸収されることがあり、食べた際に口や舌にピリピリとした刺激を感じることがあります。
吸収された炭酸ガスは、少し時間をおくと自然に抜けますが、まれに一晩たっても抜けきらないこともあります。炭酸ガスは、清涼飲料水などで使用される無色で無臭の気体であり、人体への影響はありませんのでご安心ください。
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