おいしくって安全なお話2024年45号(農薬や食品添加物を摂ったら体内で蓄積されますか?)
45号_農薬や食品添加物を摂ったら体内で蓄積されますか?.pdf
私たち消費者にとって関心の高い食品中の残留農薬や食品添加物は、生活していく中ですべて排除するのは難しいのが現状です。残留農薬や食品添加物を摂ると、体内でたまっていってしまうのでは、との心配の声もお聞きします。今回は、農薬を例にとってお話します。
●以前、安全性が問題となった農薬は
1970年頃に使用されていた農薬が、生物濃縮(食物連鎖の順位が高いほど濃度が高くなること)や環境への残留性が高いことなどが問題となりました。このことは社会でも大きく取り上げられたため、「農薬はいつまでも残りやすい」ということが強く印象付けられてきました。その後、このような農薬は世界的に製造も使用も禁止になり、現在では使用されていません。
●現在は、人体に蓄積される農薬は使用できません
では現在、使用されている農薬はどうでしょうか。
農薬は、国が許可したものしか使用することができません。今の日本では、農薬の許可にあたって、食品安全委員会(化学物質の安全性を評価する専門家が集まった機関)が、個々の農薬についての安全性を確認しています。この時、さまざまな動物実験の結果などを参考にしますが、その一つに「その農薬を摂取した場合、体内ではどのように代謝されるのか」についての確認も義務付けられています。
農薬が体内に入ると、消化されず素通りしてそのまま排泄されたり、消化管から吸収された場合でも主に肝臓で分解され、胆汁や尿とともに排泄されます。この時、体内への蓄積性が問題となったら、その農薬の使用が許可されることはありません。
このような安全性評価のプロセスは食品添加物についても同じです。国内だけでなく、海外でも蓄積性のある化学物質への規制は進んでいます。現在私たちが摂取する可能性のある農薬や食品添加物について、体内へ蓄積されることを心配する必要はありません。
生協では、お届け商品の残留農薬や食品添加物の検査をしています。検査の結果から、検出される濃度は、安全性に問題ないことも把握しています。今後も、こうした情報もわかりやすくご提供していきます。
東海コープホームページに「おいしくって安全なお話」のバックナンバーがあります。
東海コープ