おいしくって安全なお話2024年44号(ノロウイルスに注意)
2020年から2023年ごろは新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、外出を控えたり、感染予防が徹底され、ノロウイルスの話題が目立たなくなりました。今現在は以前の生活スタイルに戻りつつありますが、それとともにノロウイルスの話題も目にするようになりました。今回はノロウイルス食中毒の発生状況と、私たちが日常注意することについてお話しします。
1.ノロウイルス食中毒の発生状況
2017年からの発生状況を見ると、2020~22年は極端に事件数、患者数とも減少していましたが、2023年は増加傾向にあります。
2023年の月別の発生状況を見ると寒い時期に患者数が多いのですが、これはウイルスが温度が低くて乾燥した状態だと長く感染力を保つためです。
とはいえ、夏場の患者数が0になるという訳ではありません。2024年は8月に弁当店や宿泊施設からノロウイルス食中毒の発生が疑われた事例もあります。夏でも注意が必要です。
2.注意ポイント
①手洗いが大事!
調理をする前、トイレに行ったあと、食事の前、外から帰って来た時はしっかり手を洗いましょう。
石鹸で手を洗った後、もう1回石鹸を付けて手洗いする二度洗いは効果が高い方法です。
②しっかりと加熱!
ノロウイルスは熱には弱いため、しっかり加熱すれば食中毒の心配はありません。加熱用のカキなどの二枚貝などはしっかり加熱することが大事です(中心部が85℃~90℃で90秒以上)。
③感染した人がいるとき、嘔吐物を処理する時
インフルエンザやコロナウイルスと違って、ノロウイルスにはアルコールはあまりきかないため、次亜塩素酸ナトリウムで殺菌をします。
調理器具、ドアノブ、便座の消毒には市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%のもの)を250倍希釈したものを使います(例:500mlの水にペットボトルのキャップ約半分2mlの漂白剤を入れる)。
吐物などの処理はもっと濃い濃度のものを使用します(例:500mlの水にペットボトルのキャップ約2杯10ml入れる)。
酸素系の漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムを含まないので、塩素系の漂白剤を使ってください。
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