知ってほしい「生産者の今」 ワルツ株式会社 ~私のブレンド~

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知ってほしい「生産者の今」 ワルツ株式会社 ~私のブレンド~

身近な商品値上げの中で、コープの商品を生産してくださっている生産者のみなさんの「今」をレポートしました。 

「生産者の今」ワルツ株式会社(豊橋市) ~私のブレンド~

自宅で味わえる本格派コーヒー    

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左から井村誠さん、宮澤和也さん

コーヒーは「鮮度」が大切

ワルツで作るコーヒーの特長は、何よりも「新鮮」さ。焙煎してから5日以内に組合員の元へ届け、自宅で新鮮で本格的なコーヒーを楽しむことができます。新鮮なコーヒーは香りがよく、お届けした際に袋が膨らんでいる状態は新鮮な証。一般的には商品の在庫を持ち、注文が入るとその数を卸してお届けします。しかし、コープ宅配では、1週間前に注文することから、1の位まで注文数が把握できるため、商品の無駄なく新鮮なコーヒーを製造してお届けすることができます。

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こだわりはアフターブレンド

アフターブレンドとは、4カ国の豆をブレンドする際に、それぞれの豆に適した温度・時間の仕方で焙煎し、その後4つの種類をブレンドするやり方です。一般的には、「プレミックス」と呼ばれるブレンド方法が多く、焙煎する前にブレンドする豆を全部混ぜてから1回で焙煎します。しかし、「わたしのブレンド」や「あなたのブレンド」では、それぞれの豆の特長を引き出すために、アフターブレンドの方法でブレンドしています。「豆」は農作物。豆によって収穫時期も違えば、育った環境も違います。アフターブレンドは、それぞれの豆ごとに焙煎するため、時間や手間はかかりますが、その分、豆に合わせた焙煎の仕方で豆ごとの個性を引き出すことができ、味わい深いコーヒーができあがります。

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「わたしのため」のコーヒー「あなたと一緒に飲む」コーヒー

「わたしのブレンド」は、1995年に当時の港センターの組合員と一緒に作り上げた商品です。子育てで忙しくバタバタしている毎日の朝の時間でも、ブラックですっと飲めるコーヒーがほしいとの声を受け、組合員と試飲を重ねて商品開発を行ってきました。すっきり・まろやかでブラックでも飲みやすいことが特長です。

「あなたのブレンド」は、2007年に「わたしのブレンド」を開発した当時のメンバーが、もう一度集まり、子育てで落ち着いてきたあとの、少し余裕ができた組合員が飲みたいコーヒーとして開発しました。
ゆっくり焙煎して焼き上げているため、コクが深いことが特長です。「わたしのブレンド」と違い、コクが深く苦みがあるため、甘いデザートにも合うコーヒーです。

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この2商品は、ワルツの社内で決めた味付けではなく、当時開発した地域のお母さんが飲みたい味に仕上がっています。愛知県は喫茶店文化が盛んだったこともあり、どちらかというと「どろっとしたコーヒー」が好まれる傾向にありました。開発当時、仕上がったコーヒーがすっきりしすぎて、焙煎士からは大丈夫なのかと不安の声もあがっていましたが、組合員の声を生かして作り上げた結果、今でも多くの方に愛される商品になりました。

物価高や為替の影響

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▲焙煎する前の豆

コーヒーや紅茶は日本で原料が採れるわけではなく、輸入しているため、為替の影響は大きく苦労しました。この間のエネルギー代や資材代の高騰で、「わたしのブレンド」と「あなたのブレンド」も値上げせざるを得ませんでした。値段が上がることで、組合員のみなさんからご利用いただけなくなることが一番心配ですが、仕入れによって大きく左右されるため、悩ましい状況が今も続いています。

また、どうしても豆は農作物なので、降水量が多い・少ない、霜が降りたりするなど、産地の気候によっても収穫量が変化します。組合員には安定的に商品のお届けができるようにしたい。ワルツでは、安定してコーヒー豆を調達できるよう、複数の調達先との信頼関係を作っています。物価高の影響で、組合員のみなさんの財布のひもは固くなっているかと思いますが、せっかくなら、いいものを買っていただきたいですし、その商品が生まれたストーリーを知り、好きになってもらいたいです。

守り続けるコーヒーの味

昔は、レギュラーコーヒーが主流でしたが、時代の流れとともにレギュラーコーヒーからドリップコーヒーが主流になってきました。そういった中でも、インスタントではない本格的な味のコーヒーを味わいたいといった組合員の要望に応えるために、鮮度のよい、おいしいコーヒーをワルツでは提供しています。今は、コンビニコーヒーのクオリティも上がってきている中で、ワルツが作るコーヒーのストーリー(背景)を大切に、組合員と一緒に作りあげてきたこの味を大切に守り続けていきます。

コーヒーは、焙煎・粉砕・ブレンドするという工程で出来上がります。その製造工程のシンプルさゆえに、少しの変化でコーヒーの味に大きな差が生まれます。紙面では書ききれないワルツのコーヒーの魅力を、コロナ禍の中で新しく加入された組合員のみなさんにも伝えていきたいです。コロナの影響もあり、ここ数年でみなさんの生活環境は大きく変化したと思います。コロナ前は年間200以上もの学習会を開催し、「どんなコーヒーを飲みたいのか?」「いつコーヒーを飲みたいか?」など、学習会での交流を通して生活環境を聞き取っていましたが、今はそれがありません。少しずつ元の生活に戻りつつある中で、ぜひみなさんの声を私たちに聞かせてください。これからはアフターコロナに向け、オンラインやリアルの学習会を開催していき、ワルツの商品の魅力を伝えつつ、交流会でコーヒーや紅茶のことを一緒に語り合いましょう。またお会いできるのを楽しみにしています。

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 (2023年4月取材)


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組合員情報誌「ウィズコープ」でも昨年から生産者のみなさんを紹介しています。


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