知ってほしい「生産者の今」 マスコー製紙 ~芯がないトイレットペーパー やわらかコアノンロール~
身近な商品値上げの中で、コープの商品を生産してくださっている生産者のみなさんの「今」をレポートしました。
「生産者の今」マスコー製紙株式会社(静岡県富士宮市) ~芯がないトイレットペーパー やわらかコアノンロール~
毎日使うものだからこそ、リサイクルできる原料で
■エネルギー、資材、薬品などコストの上昇
▲左から増田明彦社長、加藤進太郎さん
ごみとなる紙芯を省いたトイレットペーパーの「やわらかコアノンロール」を生産するマスコー製紙。主原料となる古紙は、回収した牛乳パックや印刷・製本会社などで発生するコピー用紙や印刷用紙です。デジタル化でペーパーレスがすすみ、古紙の原料不足が発生して昨年末から1㎏あたり23円から35円と大幅に値上がりしました。古紙の洗浄や乾燥を経てロールにしていく過程では、多くのエネルギーを必要とします。製造工程におけるコストは、電気が2倍、燃料(LNG)は2.5倍上昇しました。近年は、中国やインドネシアなどアジアから安価な商品が入ってきており、国内の製紙会社はどこも経済状況が厳しいのが現状です。
■環境にやさしい商品づくり
紙は、森林資源を伐採して木材の繊維から作られています。森林資源には限りがあるため、紙のリサイクルは地球環境保全に対して重要なアクションになります。
コアノンロールは、森の資源を守る再生紙100%。生協と約束をした品質を守り、原料の一部に牛乳パックなど上質な紙資源を使っています。
▲原料となる商品案内や牛乳パック。回収されて工場に運ばれてきます
「トイレットペーパーやティシュペーパーは使ったら再利用のできない紙ですから、再生紙で作った方がいい。森林資源を新たに伐採したものから生産するよりも、印刷用紙や牛乳パックなどの古紙を原料にした再生紙を使うことが、地球環境の保護にもつながります」と増田さんは話します。
■無駄を減らす工夫で資源の保全を
コアノンロールは、一般的なシングル1ロール60mの2倍以上の長さの130mあり、ぎゅっと凝縮して巻いているトイレットペーパーです。芯も省いてあり、ごみ捨ての手間と資源の無駄をなくしました。紙幅は105mmと市販の主流のトイレットペーパーに比べて少し狭く作っています。使用感は変わらず、原材料の節約と置きスペースを取りません。
組合員の声を受けて、紙にエンボス加工を施す「やわらか化」にも取り組みました。「長巻だけど、柔らかく肌に優しい使い心地は、ぜひ実際に手に取って使用し実感してもらいたいです。」毎日使うものだから、使い心地にもこだわって研究や技術の向上に取り組んでいます。
▲商品案内や牛乳パックなど原料はミキサーで溶かします。
何度も洗浄を繰り返し、繊維を白くします
▲1ブロック約480㎏。熱を加えて繊維を抽出するため出来立ては温かい
▲エンボス加工をして決められた長さにカットしトイレットペーパーに。検品し箱詰めして完成
増田社長、加藤さんは「今後もみなさんとの交流の中で、よりよい商品を伝えていきたい。環境によく高品質な紙を生産しますので、これからも応援よろしくお願いします」と話してくださいました。
■リサイクルのご協力をお願い
古紙原料不足は全国的に発生しています。ぜひリサイクルにご協力お願いします!みなさんから回収したチラシや商品案内カタログ、そして牛乳パックも含まれています。
中でも牛乳パックはとても良質なパルプでできているため、原料として使うとコシのあるしなやかな紙に仕上がります。再生紙は繊維が細く、水に溶けやすいという特徴もあり、トイレットペーパーにとても適しています。
【使った商品のその先は? リサイクルの流れ】
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■みなさんが、今すぐ取り組めるSDGsが「エシカル消費」です!
CO・OPコアノンロールは、ユニセフを支援しています
2010年からアフリカのアンゴラ共和国の「子どもにやさしい学校づくり」プロジェクトに参加しています。
コアノンシリーズいずれか1パックを利用することで、ユニセフを通じて1円が募金されるシステム。先生の育成やトイレの設置など環境整備を通して、楽しく学べる環境づくりに使われます。
コアノンロールで、トイレから地球の未来を考えてみませんか?
(2023年3月取材)
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