★知ってほしい「生産者の今」節辰商店　～せいきょうだしパック～

身近な商品値上げの中で、コープの商品を生産してくださっている生産者のみなさんの「今」をレポートしました。　

「生産者の今」節辰商店（名古屋市）　～せいきょうだしパック～

日本の「だし」文化を大切にしたい

▲　勝田和吉（かつたかずよし）さん

■近年の厳しい漁場と世界状況

　節辰商店は１６０余年の歴史を持つ、東海地区最大で最古のかつお節関連商品の専業メーカーです。コープあいちとのお付き合いも古く、「CO・OPせいきょうだしパック」は５０年以上愛されているロングセラー商品です。
　せいきょうだしパックは原料を国内製造にこだわっており、主な原料はイワシの煮干しです。イワシは養殖用の魚の餌やオイルサーディンなど他の商品になることも多いのですが、昨年あたりから漁獲量が減っており、価格の高騰が起きています。

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▲　せいきょうだしパックの原料
　　上から時計回りに、かつお節・こんぶ・干し椎茸・煮干し・むろあじ節

　原料の一部であるかつお節に関しても、かなり厳しい状況です。冷凍カツオは、１kg約２００円だったのが約３００円と、１.５倍～２倍に値上がりしています。
　カツオは日本だけでなく世界中で食べられています。「ツナ缶」はまぐろが原料と思われていますが、世界ではツナ缶＝カツオが一般的です。ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、多くの国が戦争に備えて缶詰を備蓄するようになり、世界中でツナ缶が買われるようになりました。このような海外での需要の高まりと円安の影響で、日本で獲ったカツオも海外へ流出、原料の争奪戦が起こり海外より高値で買わざるを得ない状況となっています。
　カツオの漁場は赤道付近ですが、資源確保のため禁漁になることが多く、では他の漁場で獲ればいいかというと、遠方になるため漁船の燃料費や輸送コストがかかってしまい、さらに原料価格が上がってしまいます。

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▲　むろあじ節

　また、今年は記録的なサバの不漁で、さば缶が出荷できないというニュースも流れています。缶詰だけでなく、さば節も作れないため、サバをムロアジに変更する業者もあり、ムロアジの価格も高騰してきました。

■原料の調達は信頼関係から

　こうした原料価格が高騰する厳しい状況の中でも、だしパックはご家庭で毎日のように使っていただきたいので、普段使いできる価格にしています。原料のかつお節などは、長年の付き合いで信頼関係ができた生産者から直に仕入れています。こちらの要望や相談を直接伝えることもでき、この状況下でも質のよい原料を調達してくれます。そのため、だしパックの質はもちろん、使っていただきやすい価格にできています。

■だしは料理の味を決める大切なポイント

　だしは日本特有の食文化なので、ぜひだしの大切さを知ってもらいたいです。だしパックもいろいろなメーカーが出していますが、節辰のだしパックは素材だけで作っています。天然のものだけで作ったこのだしパックは、料理に使用して初めて本領発揮をすると思っています。時々「味が薄い」と言われることがあります。だしのみで味見をすると、どうしても味の濃い液体や粉末のだしを“おいしい”と感じてしまいます。だしパックは料理に合う味になっているので、ぜひ料理にしたときの味で比べてみてください。
　お店で食べる料理のだしと同じような味を出すには、相当な量のかつお節を使わなければいけません。しかし、すべての原料を国内製造にこだわったせいきょうだしパックなら、ご家庭でも簡単に、しかも手頃な価格でその味を出すことができます。

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