森づくりは海づくり PART2 | 生活協同組合連合会 東海コープ事業連合

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漁獲量の減少や環境破壊に危機感を持った生産者が、海の生き物と、それを育む森を守る活動を行っています。
今回は、コープのえび商品を製造する丸千水産株式会社がMMA社とともにインドネシアですすめている「マングローブの森づくり」活動を詳しくお伝えします。

持続可能なえびの養殖方法を目指して インドネシア・タラカン島など

1981年代からブラックタイガーえびの養殖が始まり、えびは家庭でも利用しやすい食材となりました。しかし整地された狭い池での過密な養殖は、生産性が高い反面、異臭や病気の蔓延など、大規模な養殖池の疲弊を起こしました。
この状況を見て、インドネシアでは持続可能な手法を探り、「粗放養殖(そほうようしょく)」という養殖方法を取り入れるようになりました。

エサも電気も使わない粗放養殖(そほうようしょく)

潮の干満を利用した収穫や、養殖池に自生する植物や生物をエサとするなど、環境負荷や維持にかかる電気エネルギーなどが少ない方法です。

満潮になった海水が水門を通って、養殖地に流れ込みます。
その際、海中の天然えびも池に流入します。

水がたまった養殖池の中は自然の生態系になります。そこに稚えびを放流し、エサや薬品を投入せずに、約3カ月えびを育てます。

干潮時に水門を開くと、えびが水流とともに水門に流れてきます。そこに網を張って収穫します。

収穫が終わった後、干潮時に水を外に出して池を乾かします。

マングローブの森づくり

環境負荷の少ない「粗放養殖」ですが、養殖池を作る際にマングローブを伐採しています。より持続可能な養殖を目指して、東海コープ事業連合は2010年からマングローブの植樹活動を開始しました。

2016年の植樹活動に参加した職員

酸素と生き物を育むマングローブ

二酸化炭素を多く吸収し、 酸素を供給するマングローブ。 アマゾン の熱帯雨林よりも二酸化炭素吸収率が高く、 「緑の肺」 と呼ばれています。 複雑に伸びる根は、 カニや小魚 ・ 幼魚のすみかとなり、 豊かな生態系を育むゆりかごになっています。

熱帯・亜熱帯の海岸線や河口など、 満潮時に水が満ちてくる場所に繁殖する植物の総称。 その種類は数十種類に及びます。

干潮時にあらわれる長い根がマングローブの特徴

産地での植樹活動

毎年、コープぎふ、あいち、みえの職員が現地を訪れてマングローブの苗木の植樹 活動をしています。マングローブは成長が早く、数年で大きく育ちます。2010年 に植樹したマングローブも現在では豊かな林になっています。

2016年植樹活動参加者の声

羽田から飛行機を乗り継いで約15時間、赤道に近い現地は、広大なマングローブの森の中に巨大な養殖池が広がっています。マングローブの森は、海岸線で生きる人たちのくらしを守る防波堤の役割も担っていますが、一度伐採すると再生が難しく、植樹後も定期的な手入れが必要です。コープの森づくりの活動は組合員のみなさんの利用で支えられています。これからもブラックタイガーえびをおいしく食べていただいて、豊かで美しい自然の保護につながるこの素晴らしい活動を継続していけたらうれしいです。

コープあいち 新城センター
中村 太(なかむら ふとし)さん

生協さんとインドネシアでえびのお付き合いをはじめて今年で20年目になりました。
これからも産地の恵みを大切にしながら、組合員さんに安全でおいしいえびをお届けしていきます。

丸千水産株式会社 代表取締役
千賀 昭政
(せんが あきまさ)さん
丸千水産株式会社
1945年に蒲郡市で創業して以来70年あまり、三河の地魚をはじめとした水産加工品を製造販売。現在ではさまざまな産地のこだわり素材を用いた商品づくりをしています。持続可能なえびの養殖のため、2007年からマングローブの植樹活動を開始。毎年植樹を通じて現地と交流を深めています。

ブラックタイガーえび 大(500g)
ブラックタイガーえび(下ごしらえ済)特大
手間なしパパッとぷりぷりエビチリ
えびが自慢のえびフライ(特々大)

コープあいち「ウィズコープ」2017年9月上旬号より

2018.08.02

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