海の生き物は、豊かな森が生み出す栄養豊富な水によって育まれます。
漁獲量の減少や環境破壊に危機感を持った生産者が、各地で木を植える活動を行っています。
コープでは、2010年からこの活動を応援する取り組みをしています。自然、組合員、生産者・メーカーがひとつになって、森と海を育むサイクルを、未来につなげていきませんか。
「コープの森づくりマーク」がついた商品の利用で、1品に対して1円を支援します。商品産地での植樹を通して、海を守り育てる活動に役立てます。
北海道・野付郡(のつけぐん) 沖縄県・恩納村(おんなそん) インドネシア・タラカン島の3カ所で、生産者・メーカーと協力してすすめています。
近年、海水温の上昇や異常気象などで秋鮭や糸もずくの不漁が続く中、産地では努力を続けています。
2016年度の実績
寄付金額2016年2月~2017年2月のコープあいちの寄付金額 植樹コープぎふ、あいち、みえの3生協の2015年度寄付金で植樹した本数。
北海道・野付郡別海(べっかい)町
魚を増やす植樹活動
1987年より北海道漁業組合連合会女性部は「100年かけて100年前の自然の浜を」をスローガンに全道で植樹活動を開始しました。野付でも、漁協を中心に毎年1000本以上の植樹と、植えた苗の手入れをしています。
9~11月の秋鮭漁のシーズンになると、漁協が放流した鮭の稚魚が4年間の北太平洋回遊を経て、大きくなってふるさとの川へと戻ってきます。
対象商品
- 北海道野付産定塩秋鮭切身
- 北海道野付産いくら醤油漬け
- 野付の秋さけ便利カット骨とり皮なし
…など
インドネシア・タラカン島
マングローブの森づくり
タラカン島では、自然に近い環境でエビを養殖する「粗放養殖」を行っています。潮の干満を利用した収穫や、養殖池に自生する植物や生物をエサとするなど、環境負荷や維持にかかる電気エネルギーが少ない方法です。
しかし、いくら環境負荷が少なくとも、池を作る際マングローブを伐採することに変わりはありません。そこで、使い終わった養殖池にマングローブの植樹をして自然に戻す取り組みをしています。
対象商品
- ブラックタイガーエビ(下ごしらえ済)特大
- 手間なしパパッとぷりぷりエビチリ
- えびが自慢のえびフライ(特々大)
…など
沖縄県・恩納村(おんなそん)
サンゴの里海づくり
サンゴ礁は天然の防波堤として、多くの生き物のすみかとして、重要な役割を担っています。しかし、地球温暖化などの環境の変化を受けて、沖縄のサンゴは絶滅の危機に直面しています。美しいサンゴ礁で知られる恩納村では、漁協が中心となって「サンゴ礁の海を育む~里海づくり~」として、1999年よりサンゴ養殖の研究・植樹に取り組んでいます。
対象商品
- もずくの極 三杯酢
- 恩納村産味付糸もずく(三杯酢)
- 恩納村の太もずく使用もずくスープ
…など
地域によっては約9割のサンゴが失われたとの報告もあります。
こうしたサンゴ礁を元の姿に戻すには、人間の手助けが必要です。
地球温暖化による海水温度の上昇。サンゴは体内に共生する褐虫藻から栄養をもらって生きていますが、水温が高いと褐虫藻はサンゴの外へ抜け出し、やがてサンゴは栄養が無くなり死んでしまいます。
埋立工事などにより陸地から流出した赤土の影響赤土は海を濁らせて、褐虫藻の光合成に必要な太陽の光を届かなくします。サンゴに積もって窒息させてしまうこともあります。
サンゴを食べるオニヒトデの大量発生。水温の上昇や、人間の生活排水がオニヒトデ幼生のエサを豊富にしているのが原因ではないかといわれてます。
毎年、組合員と職員が恩納村へ行き、視察やサンゴの植樹体験をしています。「沖縄恩納の里海づくり協議会」第4回総会(2016年月)では、沖縄県恩納村漁協を東海3生協と東海コープの職員・組合員19人が訪れ、生産者のみなさんと交流しました。
毎年9月に岐阜・愛知・三重の東海3県で「海人(うみんちゅ)の料理交流会」を開き、組合員に森づくりの取り組みをお伝えしながら、もずくを使った料理教室を開催しています。2017年度も予定していますので、みなさんもご参加ください。
東海コープ事業連合 も参加している「恩納村コープサンゴの森連絡会」が、「第36回全国豊かな海づくり大会」(2016年9月11日)において、漁業・環境保全部門で環境大臣賞を受賞しました。
コープあいち「ウィズコープ」2017年5月上旬号より