50年近い歴史のあるせいきょう牛乳。「家族全員がせいきょう牛乳のファン」「牛乳嫌いなうちの子でも、せいきょう牛乳なら飲める」など、うれしい声をたくさん寄せていただいています。人気の秘密を知るために、牧場を訪ねて、牛乳がしぼられ、食卓に届くまでを取材しました。
※今回ご紹介するのは、コープぎふ・コープあいちでお届けしている商品です。
生産者ムトー牧場
牛が舎内を自由に歩き回れるフリーストール方式で約100頭の乳牛を育て、現在は55頭ほどから生乳をしぼっています。ムトー牧場の牛たちはこの牧場で生まれ育った牛ばかり。出産を控えた牛や赤ちゃん牛も一緒に世話をしています。四方を山々に囲まれた牧場は空気が爽やかで真夏でも過ごしやすく、快適な環境です。
暑さが苦手な乳牛にとって、一年を通して過ごしやすい気候の郡上市は、岐阜県の中でも乳質のよい牛が育つといわれています。
製造者美濃酪農農業協同組合連合会(美濃酪連)
60軒以上の契約酪農家から毎日新鮮な生乳※を集乳し、安全で新鮮な牛乳・乳製品をつくっています。酪農家と直結しているからこそ、牛乳が本来もっている自然なおいしさを、そのまま製品にすることができます。
※生乳/乳牛からしぼったままの、加熱・殺菌をしていない乳
安全で栄養豊富な飼料を食べています
ムトー牧場では、せいきょう牛乳専用に配合されたNon-GMO※のとうもろこし、脱脂大豆など(穀物飼料)と、3種類の牧草(粗飼料)を与えています。ほかにも、消化を助ける酵素群やビタミン剤、鉱塩などで栄養バランスを工夫しています。
栄養豊富なものをバランスよくたくさん食べると、牛の体調が整い、乳質・乳量がよくなるんですよ。
※Non-GMO(ノンジーエムオー)/遺伝子組み換えが行われていない作物
牛はストレスに弱くとてもデリケート。牛が訴えていることに気づいてあげるために、食欲がなかったり、いつもと様子が違っていたり、いろんなことを注意深く見ています。毎日の生活のリズムを整えることも重要で、少しでも生活が変化すると、乳の量が少なくなったり、質が落ちたりします。
ムトー牧場の武藤さんは「食卓へ届く牛乳は、子牛を産んだ母牛が出してくれていることを、こころの片隅に覚えておいてもらえると嬉しいです」と語ってくれました。
美濃酪連は定期的に酪農家を訪れて牛の状態を見たり、飼料や設備などの新しい情報を伝えるとともに、酪農家の意見・要望を聞いています。
美濃酪連の武藤さんは「酪農家が100人いれば、100通りのやり方と答えがあります。それぞれ理想とする酪農に向かって頑張っている酪農家の方々を、これからもサポートしていきます」と語ってくれました。
美濃酪農農業協働組合連合会
営業部 産消提携推進課
武藤 伸彦(むとう のぶひこ)さん
武藤さんご家族(前列)と
美濃酪連の担当者さん(後列)たち
まだうす暗いうちから牛の世話が始まります。搾乳※後に食べる新しい飼料の用意をはじめると、牛たちも活動を開始!
乳をしぼる雌牛たちは、牛舎から搾乳をする専用舎へ移動します。牛たちも、夜のうちにたまった乳を早くしぼってほしいようです。
乳房を消毒液の付いたペーパータオルで丁寧に拭きます。人の手で少ししぼり出してみて、牛の健康、乳の状態を一頭ずつ確認。
搾乳機を取り付けて搾乳開始。搾乳は朝と夕方の2回。1頭あたり10分ほどで、約55頭の乳をしぼっています。
しぼった直後は乳房に雑菌が入りやすいので、しっかり消毒液をかけます。機器もしっかり洗浄します。
しぼった生乳は搾乳機から直接、大きなバルククーラーに送り3〜5℃に冷やして保管。前日の夕方にしぼった生乳もここに保管され、集乳を待ちます。
搾乳が終わった牛は、食事をして夕方の搾乳まで昼寝をしながらのんびり。
集乳車が各牧場をめぐって、生乳を集めます。4項目の検査に合格してから集乳します。
生乳は工場へ運ばれ、本格的な検査の後にタンクで保管。翌朝一番でパック詰めして出荷され、次の日には配達されます。
コープあいち「ウィズコープ」2016年9月上旬号より
2018.06.14