おいしくって安全なお話2025年38号(私たちの食の安全安心を守るしくみ)
命や健康を維持するために、食の安全はとても重要です。一方で私たちが普段食べている食品の安全がどのようにして守られているか、ご存じでない方も多いと思います。今回は食の安全安心を守るしくみについて、お話します。
1.食の安全を守るしくみ
わが国では「食品安全委員会」が様々な物質の健康への影響などを科学的に評価(リスク評価)して、その結果を受けて消費者庁や厚生労働省、農林水産省などが食べても安全なように基準やルールを決めています(リスク管理)。
リスク評価とリスク管理をする組織が分かれていることで牽制できるところがポイントです。また消費者や事業者も参加してそれぞれの立場から意見をいえること(リスクコミュニケーション)も大事なところです。
このような管理の仕方をリスクアナリシスといい、多くの国で取り入れられている方法です。
2.生協が果たしてきた役割
日本にこのような食の安全を守るしくみができたのは最近の事で、これには生協の取組みが大きく関係しています。1999年頃に全国の生協で「食品衛生法改正の署名活動」を行い1373万筆の署名が集まりました。その署名活動が2003年の食品安全基本法制定につながったのです。
その結果、第三者が安全性を評価する仕組みとして食品安全委員会が設置され、情報公開も進み、全国生協の長年にわたる組合員活動が組合員だけでなく日本の食卓の安全を守ることに貢献したのです。
科学に裏付けされた食の安全情報を、危険を煽ることなく正確にお知らせする事が食の安心につながる。そんな時代をつくるのに大きな役割を果たしてきたのです。
東海コープ