おいしくって安全なお話2025年35号(妊婦さんが気を付けたい食品)
健康に良いとされる食品でも、妊娠中は注意が必要な場合があります。特に、お魚やチーズ類は、良質なたんぱく質やカルシウムを多く含み栄養価が高い食材です。妊娠中の方には注意が必要な場合があります。
●お魚について知っておいてほしいこと
魚には微量のメチル水銀が含まれていることがあります。胎児は胎盤を通して水銀を取り込みますが、体外に排出できないため、妊婦さんは注意が必要です。
食べる量に気を付けましょう
【大型の魚】
本マグロ、カジキなどはメチル水銀の含有量が比較的高いので、妊婦さんは摂取を控えることが推奨されています。例えば、妊娠中の方は大型のマグロを『1週間に1回80g(マグロ刺身1人前)程度までにしましょう』としています。
※厚生労働省のパンフレット「これからママになるあなたへ」に、一週間の食べ方が紹介されています。
【安全な魚】
サケ、アジ、サバなどはメチル水銀の含有量が低いため、妊婦さんでも安心して食べることができます。また原料がマグロでも、ツナ缶は問題ありません。
なお、日本人の食生活では、水銀の耐用週間摂取量(※1)の56.7%(2023年)程度でとどまっており、胎児(妊婦さん)以外は過度に心配する必要はありません。また、胎盤が形成されるのは妊娠4ヶ月頃で、それまでのことを心配する必要はありません。妊娠に気づいてから注意することで対応できます。
(※1)耐用週間摂取量:人が一生涯にわたって毎日食べ続けても健康への影響がないとされる、1週間あたりの摂取量
●ナチュラルチーズや生ハムなどに潜む、食中毒菌について
ナチュラルチーズ(加熱殺菌されていない乳製品)や生ハム、スモークサーモンなどは、リステリア菌が潜んでいる場合があります。日本ではあまり多くはありませんが、リステリア食中毒にかかると流産の危険が高まるため、特に妊婦さんが注意する必要があります。リステリア菌に限らず、特に妊婦さんは免疫機能が低下しているため感染しやすく、より注意が必要です。
食べる時に気を付けること
•リステリア菌は冷蔵庫内でも増殖しますが、加熱することで予防できます。
•賞味期限や保存方法を守りましょう。
•妊娠中は、できるだけ加熱調理したものを食べましょう。
東海コープ