おいしくって安全なお話2025年20号ヒスタミン食中毒って何?
2024年に小中学校で給食を食べて1時間ほどで顔が赤くなる、頭痛、体に発疹がでるなど、児童生徒がアレルギーに似た症状を訴えた事例がありました。
検査の結果、食材に使われていたカジキから「ヒスタミン」が検出されたということです。このヒスタミンとは何でしょうか?
1.ヒスタミン食中毒とは
赤身魚(マグロ、サバ、イワシなど)の温度管理が悪いと、ヒスタミンができることがあります。これはヒスチジン(アミノ酸の一種)を多く含む赤身魚を常温に放置すると、細菌によりヒスタミンがつくられるためです。
ヒスタミンが多くなった魚やその加工品を食べることにより、アレルギー様の食中毒になります。ヒスタミンは熱に強く、調理では除去できないため、一度生成されてしまうと食中毒を防ぐことはできません。
食中毒の症状は通常24時間以内に回復しますが、病院で抗ヒスタミン剤を処方してもらうと速やかに回復します。
2.注意点
ヒスタミンがつくられないように、魚は低温管理を徹底すること、鮮度が低下した魚は使用しないことが対策になります。
生の魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう。またヒスタミンを産生する細菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去しましょう。調理時に加熱しても分解されないので、鮮度が低下した恐れのある魚は食べないようにしてください。ヒスタミンが含まれていても臭いなどでは分かりませんが、ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときに、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じることがあります。この場合は食べずに処分してください。
10℃で低温管理した場合でも、長期間の保存でヒスタミンの量が増えることがあります。冷蔵であっても原料魚や半製品の長期保管は避けましょう。
3.生協の検査
東海コープの検査センターでも赤身魚の商品のうち加工度が高い商品を中心にヒスタミン検査を実施しています。2024年度は229件(宅配183件、店舗46件)実施し、全て食中毒の恐れが無いことを確認しました。2025年度も同様に検査しています。
東海コープ