おいしくって安全なお話2024年52号(野菜の味やニオイがいつも違う~気になる味やニオイの原因は?~)
52号_野菜の味やニオイがいつも違う~気になる味やニオイの原因は?~.pdf
野菜の味や臭いがいつもと違い「薬品が付いているのかも」「農薬かも」とご心配の声をいただくことがあります。
このような臭いは実際には植物そのものの特性が原因であることも多いので、今回はそんな事例を紹介します。
●トマトが苦い
トマトは苦味成分である「ペリジン酸」をもともと含んでいます。これが段々旨み成分の「グルタミン酸」に変化するのですが、熟度が進んでいないと苦みを感じることがあります。
また、トマトが外敵から身を守るために持っている「トマチン」も苦味成分です。
完熟したものを収穫して流通させると輸送時に身が割れたり、熟しすぎて傷む恐れがあるため、トマトは完熟前に収穫されることがほとんどです。生協の物流センターに入ったところでチェックして、未熟なものが届かないようにしていますが、場合によっては少し熟度が足らないものが届いてしまうことがあります。
いつもより青かったり、実が固いと感じた時は、しばらく常温で保管してみてください。リンゴなどエチレンを出す果実と一緒にポリ袋に入れて保管するとより熟度が進みます。
なお苦味のあるトマトを食べたとしても健康に影響はありません。
●きゅうりが苦い
きゅうりなどのウリ科の野菜は、「ククルビタシン」が含まれている可能性があります。ニガウリの苦味成分と同じもので、微量でも強い苦味を示します。
昔に比べると品種改良で含有量は減少していますが、水分不足で生育すると、ククルビタシンが増えてしまう場合があります。多量に摂取すると腹痛を起こすこともありますので、強い苦味を感じたら、それ以上食べないようにしましょう。
●ブロッコリーが薬品くさい
アブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツ、大根など)には「イソチオシアネート」という辛味成分が含まれています。生育期に高温だったり、雨が少なかったりすると増加し、薬品や硫黄のようなにおいの原因になります。茹でたり切ったりすることでより臭いが強くなります。身体に悪影響のある成分ではなく、お召しあがりいただいたとしても問題ありません。
このように野菜そのものが原因で異臭や苦みにつながることがあります。今回ご紹介したような商品でご迷惑をかけてしまった場合、お手数ですがご利用の支所・センターまでご連絡をお願いします。
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