おいしくって安全なお話2024年37号(お肉を食べるときに気を付けたい食中毒)
日本で発生する食中毒は細菌・ウイルスを原因とするものが大半(80%ほど)を占めています。今回はそんな食中毒の中でも近年患者数が多いカンピロバクターによる食中毒についてお知らせします。
●カンピロバクターとは
カンピロバクターは鶏や牛、豚などの腸管内に生息している細菌です。
動物たちは平気なのですが、人間が食べて感染すると下痢や腹痛、嘔吐、発熱などの食中毒を発症し、場合によっては重症化や死亡の例もあります。市販されている生の鶏肉にはおよそ40%の確率でカンピロバクターが検出されるという調査結果もあるほど、生肉には普通に付着している食中毒菌です。
出典:内閣府ホームページ (https://www.fsc.go.jp/sozaishyuu/)
焼肉屋やバーベキューで加熱不足のお肉を食べたり、鶏たたきやささみの湯引きなど生や軽い加熱で食べる料理などで食中毒が発生しています。飲食店が多いですが家庭でも発生しています。
●カンピロバクターの食中毒にならないために!予防のポイント
①食肉はしっかり加熱されたものを食べましょう。
カンピロバクターは75℃以上で1分以上の加熱でやっつけることができます。お肉の中まで色が変わることを目安に、しっかり加熱しましょう。
②新鮮だから生でも大丈夫!は誤解です。
腸管内にいる菌が、と殺時にお肉に付着してしまうことで汚染されます。カンピロバクターは他の菌に比べて少ない菌数で発症しますので、新鮮であっても安全ではありません。
③鶏ハムやローストビーフなどの低温調理は要注意
余熱を利用するレシピは食品の中心温度が上がりきらない心配があり、おすすめできません。低温調理器を使う場合はメーカーのマニュアル等で必要な加熱時間を確認してください。
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④生肉の調理後は必ず手を洗い、使用した包丁やまな板などの器具、容器は、速やかに洗いましょう。
生肉に触った手指や調理器具を介して菌が付着したサラダなどを食べて食中毒になった事例もいくつも報告されています
⑤生肉をつかんだお箸やトングで、そのまま食べる食品に触れないようにしましょう。
⑥生肉を水道で洗うと菌がキッチン周辺に飛び散ります。洗わないようにしましょう。
シンクの水跳ねの様子(動画)
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