おいしくって安全なお話2024年36号(「乳化剤って何のために使うの?」)
食品表示をみて多くの加工食品で「乳化剤」の表示があり、たくさん使われているのでは?と心配に思うという声をお聞きすることがあります。「乳化剤」には、どんな役割があるのでしょうか。
「乳化とは」
乳化とは水と油のように本来は混じりあわないものが、混じりあうことです。例えばドレッシングの材料は油とお酢で、このままでは混ざりませんが、激しく降ると一時的に混じりあいます。この状態が「乳化」です。
しかし、ドレッシングはしばらくすればまた水と油に分離してしまいます。分離しないよう、「乳化した状態」を保つために使用される添加物のことを「乳化剤」と言います。
「いろいろな食品に使用される理由は?」
本来混じりあわないものを混じりあわせるという特性をいかし、様々な目的で使用されます。こうした特性はマーガリンやアイスクリームなどの
加工に使われたり、ケーキなどには生地に空気を抱き込ませ、ふわっとした食感に仕上げるために使用されます。また、缶コーヒーに入っている乳成分をうまく分散させるためにも活用されるなど、加工食品の品質を安定させる役割で幅広く使用されています。
「私たちの健康に影響は?」
様々なものに使用されていて、乳化剤を摂りすぎているのでは?と心配になるかもしれません。乳化剤を含む食品添加物は、その成分ごとに動物実験などのデータを基に安全性が評価され、私たちの健康に影響がないように使用の基準などが決められたうえで、使用が認められています。また国では、食品添加物を私たちがどれくらいの量を摂取しているかを調査しており、乳化剤も含め健康に問題がない量であることがわかっています。
マヨネーズにおける卵の役割
マヨネーズの材料は酢と油と卵。酢と油だけでは混ざりません。そこに卵が加わることによって水と酢は分離せずに混ざりあったままです。マヨネーズは、卵が乳化剤の役割をしています。0℃以下で保存したり、激しい振動を受けたりすると乳化力が弱まって、分離する事もありますのでご注意ください。(写真参照)
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