おいしくって安全なお話2024年33号(日本の食品添加物は数が多い?)
SNSなどで「海外に比べて、日本は添加物が多く使われている」という情報を見かけて、不安に思われる方もいらっしゃるようです。他国と比べて、本当に食品添加物の数は多いのでしょうか?
●食品添加物の定義や範囲の違い
同じ物質でも国によっては添加物になったり、添加物として扱われなかったりします。例えば香料は、日本では食品添加物扱いですが、米国やEUでは食品添加物としては扱われません。同じように、香辛料、酵素やビタミン、調味料なども国によっては添加物としてカウントされません。海外で添加物扱いのものが日本では違う場合もあります。定義や範囲が異なるので、数の多い少ないを単純に比較することはできません。
●食文化による添加物の必要性の違い
食文化によって使用される食品添加物は変わります。例えば、和菓子に使われる「クチナシ色素」は、日本では自然な色合いや天然色素が好まれ、使用
されます。一方、海外では和菓子の製造はほとんどなく、天然色素の要望もあまりなく、使用するメリットがないので認可されていない国が多いようです。
逆に海外では認められていても日本では使用が認められていないものもあります。過去に輸入されたグミキャンディから、キノリンイエローという着色料が検出され、食品衛生法違反となったことがありました。こうした場合でも、必ずしも「安全性に問題があるために禁止された食品添加物だから」とは限りません。
この着色料は、海外では需要があり、各国で安全性が評価され、認可されています。しかしながらキノリンイエローは日本では需要がなく、使用されることがなかったため、安全性を評価されることもなく、認可もされていないというのが実情です。その食品添加物が必要かどうかは国ごとに違い、必ずしも安全性に問題があるから認められていないわけではありません。
生協では安全性が確認しきれていない食品添加物は、自主基準で不使用としたり、使用を制限したりしています。
商品案内に掲載されているすべての商品は、製造工程や原材料の詳細がわかる「仕様書」で、自主基準に適合しているかを確認しています。
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