おいしくって安全なお話2024年31号(気になる?食品添加物「発色剤」のおはなし)
様々な食品にあふれている昨今、食品添加物を気にしている、または避けている人もいると思います。そんな食品添加物は、いったいどんな働きをしているのでしょうか。
今回は食品添加物の中でも、ハムやいくらに使われる「発色剤」についてお話します。
●発色剤の役割
・食品の見た目を良くする
原料の色素を固定し、鮮やかな色合いにします。食事の見た目も、食欲をそそる大事な要素の一つです。
・細菌の増殖を抑える
とくに食中毒を引き起こす「ボツリヌス菌」に対して高い抑制効果があり、発色剤という名前からは想像できませんが、食品の保存性を高める役割も
あります。
・原料の臭みを抑え、風味を出す
肉臭さを抑えて、ハムやソーセージ特有の風味を醸成します。風味の劣化を抑える働きもあります。
●発色剤はがんになる?
日本で認可されている発色剤は亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムの3種類です。中でも亜硝酸ナトリウムの発がん性が指摘されることがありますが、実際には人の健康に悪影響を与えるという科学的根拠はありません。また、体内に取り入れる亜硝酸ナトリウムは、食品添加物より野菜の硝酸塩に多く由来するため、食品添加物の亜硝酸ナトリウムを避けたところで、体内に入る総量はあまり変わらないこともわかっています。
●野菜を制限しなくてよい
硝酸塩を気にして野菜を制限してしまうと、野菜に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維を摂ることが難しくなってしまいます。健康的な食生活のために野菜は不可欠なので、積極的にとりいれましょう。
それでも食品添加物がないものを選びたい、という方もいるでしょう。みなさんが選択できるように、生協は発色剤不使用の商品も取り扱っており、商品案内には「無塩せき」と表示しています。無塩せきとは発色剤などを使わずに塩づけしたもので、食塩を使用していない、という意味ではありません。気になる方はチェックしてみてください。
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