おいしくって安全なお話2024年28号(果糖ぶどう糖液糖ってなんだろう?)
皆さんは「果糖ぶどう糖液糖」をご存知ですか?これは異性化糖という甘味料のひとつで、清涼飲料水やアイスなどに使われていることが多く、これからの季節に見る機会も増えるかと思いますので、今回は異性化糖についてお話しいたします。
◆異性化糖って?
異性化糖とは、ぶどう糖と果糖を主成分とする液状の糖のことで、とうもろこしや馬鈴薯、甘しょ(サツマイモ)などのでんぷんを原料につくられています。果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)で以下のように名称が異なります。
50%未満:ぶどう糖果糖液糖
50%以上90%未満:果糖ぶどう糖液糖
90%以上:高果糖液糖
「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」の違いは、ぶどう糖と果糖のどちらが多く含まれているかです。果糖が多いほど甘みが強く、また甘みの強さは温度によっても変化します。高温だと砂糖よりも甘みが弱く、低温だと強くなるため、清涼飲料水やアイスなどによく使われています。
◆食品添加物なの?
食品に甘みをつける役割をもつ甘味料は、糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分けることができます。
糖質系甘味料は砂糖やでんぷん由来の糖などで、一部(キシリトールなど)を除き、食品として扱われており異性化糖も食品扱いです。非糖質甘味料ステビアやアスパルテームなど、食品添加物として扱われているものが該当します。
◆異性化糖は体に悪い?
異性化糖に含まれる果糖は、ぶどう糖と比べて中性脂肪となりやすいと言われています。このことが、「異性化糖が体に悪い」と言われている原因だと考えられます。一方で果糖は、ぶとう糖に比べて血糖上昇が緩やかで糖尿病の予防や血糖コントロールに好ましいとも言われています。
異性化糖は甘い飲料(ソフトドリンク)によく使用されていますが、こうした飲料をたくさん飲む食生活だと油脂類やお菓子の摂取量が多い傾向がみられ、主菜や副菜がそろったバランスの良い食事がとれないことが心配です。異性化糖だけに注意するのではなく、バランスの良い食品の摂り方に注意することが大切です。
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