おいしくって安全なお話2024年25号(食品を長持ちさせる工夫~食品の保存技術~)
食品の消費期限・賞味期限は商品特性によって様々ですが、長い期間保存ができるものもあります。長い間保存できるのはなぜ?添加物を使っているから?と思われた事はありませんか。
食品の日持ちは製造時の衛生状態や製造方法、原材料の特性、流通時の温度管理、製品の水分量など様々な要因が関係していて、添加物は様々な保存技術のうちのひとつです。今回は、食品を長く保存するための技術についてお話しします。
伝統的な保存方法
干物や干し椎茸のような「乾燥」は食品の水分を低下させる事で、酢漬けなどはpHを低下させる事で、有害微生物の繁殖を抑制し保存性を高めます。また、
塩漬けや砂糖漬けなどは、食品に含まれている水分を微生物が利用しにくい状態にして保存性を高めています。
容器包装詰加圧加熱殺菌食品
食品を気密性のある缶、びん、レトルトパウチ、プラスチック容器などの包装に入れ、密封した後、加圧加熱殺菌したものの事を言います。いわゆる、レトルト食品が代表的です。食品衛生法で定められた基準に沿って製造されているもので、密封して加熱殺菌してあるので、長期間の保存が可能です。製造工程で充分殺菌されているので添加物などで菌を抑える必要はなく、保存料や殺菌料は使われません。
ガス充填包装
食品を包装する時に空気を追い出して、代わりに窒素や二酸化炭素などのガスを充填することで、食品の酸化や微生物による腐敗を防ぎます。惣菜などでも活用されており、通常より長い期限での保存が可能です。
鮮度保持剤
お菓子などに「食べられません」と書かれた小袋が入っていることがあります。これは乾燥剤や脱酸素剤などの鮮度保持剤で、どちらも食品を長持ちさせるために入っています。
*製造の工夫で保存期間が長くなっている商品も、開封することで外気に触れるなどして環境が変わってしまうため、未開封と同様には品質を保持できません。例えば個包装の切り餅でも、外袋だけに脱酸素剤が入っている場合(個々の切り餅には脱酸素剤が入っていない)、外袋を開けてしまうと空気が侵入して脱酸素剤の効果がなくなってしまいます。開封後はなるべく早めにお召しあがりください。
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