おいしくって安全なお話2024年17号(コチニール色素ってなんだろう?)
着色料の一つであるコチニール色素について、みなさんはご存知ですか?「原料が虫って聞いたけど大丈夫なの?」と心配されている方もいるかもしれません。
今回は、コチニール色素の安全性についてのお話です。
◆コチニール色素って?
コチニール色素とは、中南米のサボテンに付くエンジムシという昆虫から抽出された、赤色の着色料のことです。熱や光を受けても退色しにくい特徴があり、かまぼこや食肉製品、菓子などの食品に使われる他、医薬品、化粧品、染色等として世界各地で使用されていて、日本でも長年使用されてきました。
◆アレルギーを起こすと聞いたのだけど…
2012年にコチニール色素によるアレルギー発症の注意喚起が食品安全委員会等から出されましたが、その原因は製造工程で取り除ききれずに残ってしまった微量なたんぱく質(不純物)でした。小麦や卵といった食物アレルギーと同様に「たんぱく質」が原因で、過去にコチニール色素でアレルギーを起こしたことがある方は注意が必要です。口紅などの化粧品にも使用されていて、食品添加物から摂るよりも摂取量が多くなる可能性があります。アレルギーが気になる方は化粧品の成分も確かめてみてください。現在は、「低アレルゲンコチニール色素」としてたんぱく質含有量を減らしたものが開発されています。尚、食物アレルギーなどに比べれば、症例はごくわずかです。
◆食品添加物としての安全性は?
食品添加物の安全性は「原料が何か」ではなく、そこからつくられた「食品添加物」で評価されます。たとえ原料が植物だったとしても、できた食品添加物に問題があったら食品添加物としては認められず、使用することはできません。コチニール色素は原料が虫であることで安全性を危惧される方もいらっしゃるかもしれませんが、コチニール色素の安全性に関する試験は数多く行われており、コチニール色素の不純物に対するアレルギーを持っている方を除いては安全性には問題のない添加物です。
こうしたことから生協では、赤い色調が必要な商品には、コチニール色素を使用した商品を取り扱うこともあります。もちろん「使わなくてよい食品添加物は可能な限り使わない」という考え方は基本的には変わりません。これからも、みなさまに安心してご利用いただけるよう正確な情報を提供していきます。
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