おいしくって安全なお話2024年8号(食品中のアルミニウムのお話)
アルミニウムは調理器具や食品添加物など、身の回りで広く使われていますが、摂取しすぎるとアルツハイマー病の原因になるという情報もあります。今回は食品中に含まれるアルミニウムのお話です。
●アルミニウムとは
アルミニウムは、土壌や空気中のちりなどに広く存在します。土壌などから吸収されたアルミニウムが野菜、穀類、魚介類などに微量に含まれるほか、膨脹剤、色止め剤などの食品添加物にも使用されています。
●アルミニウムの健康影響について
以前から、アルツハイマー病の原因の1つにアルミニウムの摂取が疑われていましたが、この因果関係に十分な根拠はありません。2017年に食品安全委員会(※)によりアルミニウムの安全性評価が完了し、健康に影響がない摂取量は体重1kg当たり2.1mg/週ということがわかっています(例えば、体重50kgの人が、ア ルミニウムを摂取しても健康に影響のない量は1週間あたり、2 . 1×5 0=105mg)。
※食品安全委員会:専門家が食品の安全性を評価する機関
●食品中のアルミニウムの摂取量
食品中のアルミニウムの主な摂取源はベーキングパウダーなどの膨張剤(硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム)と考えられています。実際わたしたちはどのくらいアルミニウムを摂取しているのでしょう。
過去の調査では特に小児の摂取量が多いことがわかりました。その後、関係業界に使用低減の働きかけと、アルミニウムを含む膨張剤の使用基準が設定され、直近の調査では、大幅に摂取量は減少しています。
●話題になったホットケーキミックスや調理器具
アルミニウムは、過去にホットケーキミックスに使用されている膨張剤で話題になりました。現在、生協で取り扱っているホットケーキミックスはアルミニウム含有の膨張剤を使用しているものはなく、一般でもほとんど使用されなくなってきています。
また、アルミニウムはアルミ製の調理器具やアルミホイルからも摂取することが考えられますが、アルミ製のものを使用したとしても摂取量は体重1kg当たり2.1mg/週を超えることはありません。
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