おいしくって安全なお話2023年50号（寄生虫（アニサキス）の食中毒に注意しよう！
食中毒は細菌やウイルスの他に寄生虫が原因となる場合があります。2022年に発生した食中毒で一番多い事件数は、寄生虫のアニサキスです。今回はアニサキス食中毒についてお話します。
●アニサキスって？
アニサキスとは2～3cmの白い寄生虫の一種です。主にサバやアジ、サンマやカツオなどの魚介類に寄生しています。
厚生労働省事業者向けリーフレットより抜粋
●アニサキス食中毒とは
アニサキスが寄生している魚介類を生食、あるいは加熱や冷凍が十分でない状態で食べ、胃や腸の内壁にアニサキスが刺さって発生する食中毒です。症状は食べて数時間後に激しい腹痛、嘔吐など。治療薬はなく内視鏡でアニサキスを取り出すと症状は治まります。また、胃壁等を刺さない場合でもアニサキスが抗原となり、じんま疹やアナフィラキシーなどのアレルギー症状を起こす場合もあります。
●食中毒の予防方法
①魚介類の身（筋肉）に侵入させない
アニサキスは主に魚介類の内臓に寄生していますが、鮮度の低下や時間経過とともに筋肉内へ移動する場合があります。鮮魚を丸ごと一尾で購入した場合は内臓を素早く取り除きましょう。
②アニサキスを死滅させる
加熱調理（中心温度60℃で1分以上）や冷凍（-20℃で24時間以上または-18℃で48時間以上）した場合、アニサキスは死滅します。冷凍で流通・販売されている魚介類はアニサキスが寄生していたとしても死滅していますので、取り除けば問題ありません。
（凍結して死滅したアニサキスは解凍しても安全です。）家庭用冷蔵庫では-18℃までしか下がらないことが多いです。その場合は48時間以上冷凍しましょう。
①素早く処理する
②加熱または冷凍で死滅させる
酢や塩、しょうゆなどの調味料では、アニサキスは死滅せず食中毒予防には
ならないので注意してください。
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