ウィズコープ10月号 「産消提携米 愛知のコシヒカリ」 取材こぼれ話
ウィズコープ10月号vol.292
いいモノ いいコト いいトコロ ~産消提携米 愛知のコシヒカリ~ 取材こぼれ話
みなさん、「ウィズコープ」10月号は読んでいただけましたか? コープあいちこだわり商品の “つくりての思い” をお伝えするコーナー、「いいモノ いいコト いいトコロ」、 今月は、コープあいちの産消提携米「愛知のコシヒカリ」を特集しました。1980年代に始まった、農作物の「安全・安心」を求める産直運動(のちに産消提携活動)をすすめてきた生協は、「産直三原則」を取り入れ、以前からお付き合いがあったJAあいち経済連と協力し、産消提携米を開発しました。「安全・安心」はもとより、環境に配慮するこだわりのお米、生協の産消提携米をぜひご利用ください。
Webサイトでは、本誌でご紹介できなかった取材こぼれ話を掲載します。
こぼれ話
「早生(わせ)※」をご存じですか?
農作物でよく使われる「早生」とは、「農作物・果実などで、成熟期・結実期の早いもの」という意味です。米の場合は、早い時期に田植えをして、早く収穫するのを早生と言います。ちなみに、遅く植えて、遅く収穫するのを「晩生(おくて)」、その中間のものを「中生(なかて)」と呼びます。
今回ご紹介した「愛知のコシヒカリ」は早生で、もう1品紹介した「あいちのかおり」は「中生」になります。「あいちのかおり」は県内約4割の作付けとなり、学校給食で食べられています。
※「早稲」とも書きます
あいち米の品種
愛知県では、海抜0m地域から標高700mの山間地域まで、地理的条件を生かして、いろいろな品種が作付けされています。米の栽培には、一日にある程度の日照時間と昼夜の寒暖差が必要ですが、最近の温暖化で愛知県も気温が高くなり、東北エリアに比べると決して米を育てやすい環境とは言えません。それでも、全国20位※と、米の生産県です。
※令和3年産の作付面積
愛知県で栽培される米は、このような地域に対応できるよう品種改良によって開発されており、米の質や食味の向上、病気や気候変化に強く、農家が栽培しやすい米を開発するために行われています。
しかし、育てやすく、出来高のいい米ばかり作ればよいという訳ではありません。同じ品種の米ばかり作っていると、収穫時に人手が足りなくなり、適期収穫ができず刈り遅れによる品質の低下や収量減が起こってしまいます。また、異常気象や病害虫が発生した際、一度に同様の被害が出てしまうため、収穫時の異なる品種を開発し、作付けするのです。
愛知のコシヒカリのような早生の米は、伊勢湾台風を境に、お盆前に稲刈りできるよう開発されたそうです。
稲作の苦労と課題、がんばる生産者
米の栽培は、収量や品質を安定させるため、稲を病害虫や雑草から守らなければならず、そのためには少なからず農薬や肥料の力が必要になります。化学的に合成された農薬や肥料を使用しない有機栽培もありますが、除草剤を散布しない分、草刈りなどの手間は増えますし、人手も必要です。温暖化がすすむ中、夏場の農作業は想像以上に厳しい環境で、稲作に限らず農作業中の熱中症になる方もいらっしゃいます。
昨今のSDGsの取り組みで、環境に配慮した米の需要は高まる一方で、農業人口の高齢化がすすみ、人手不足が課題になっています。生協の「産消提携米」は、そんな状況の中でも生産者の方々が手間ひまかけて作る、こだわりの米なのです。農薬や化学合成肥料の使用を減らしている「産消提携米」を利用すれば、安全・安心はもちろん、環境に配慮することもできるのです。
株式会社中甲(なかこう)の動画は こちらから
JAあいち海部の動画は こちらから
SDGsな無洗米
本誌でも載せたとおり、無洗米はいいことずくめです。
①誰でも簡単・・・とがないので、水を入れて炊くだけ
②時間短縮・・・とぐ手間がかかりません
③節水・・・とぐ水入らず
④経済的・・・肌ぬか※が取り除かれているので、5kgすべて炊飯できます(5kgの精白米で食べられるのは4.85kg)
⑤環境にやさしい・・・とぎ汁が出ないので水を汚しません
※精白米の表面に残っている粘着性の高いぬか
とぎ汁には、窒素・リンが含まれています。下水処理場が完備されている地域では、汚濁物質はほとんど除去できますが、窒素とリンは完全に取り除くことができず、川や海に流されます。これが植物性プランクトンのえさになり、赤潮やヘドロの堆積など、水質汚染の原因になっています。とぎ汁を出さない無洗米は「水質汚染の防止」につながり、海や海岸の生態系の保護にもつながります。
他にも、災害時に最小限の水量で炊飯ができたり、無洗米にする際に出た肌ぬかは、石鹸や肥料などに再利用されるなど、利用することでSDGsに貢献できます。
ごはん党に入党しよう!
JAあいち経済連の加藤さんは「推しのお米を見つけてほしい」と言います。「地産地消とは、地元を応援すること。利用することで来年、再来年も作り続けることができ、私たちもおいしいお米が食べられるのです」と。
「お米に興味を持って、いろいろ試してみてほしい。好きなお米を見つけ、お米をいっぱい食べてほしい」と話してくださいました。
パールライス安城工場の動画は こちらから
ご協力いただいた、JAあいち経済連のWebサイトは こちら
ウィズコープ10月号 vol.292 ~いいモノ いいコト いいトコロ~
「産消提携米 愛知のコシヒカリ」の記事は こちら
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