キッチン周りの衛生管理
~スポンジ編~
スポンジに潜む細菌の数は思った以上に多く、そのため「スポンジ除菌」ができる食器洗い用洗剤もあるようです。 中には99.9%除菌、なんてものもありますが本当なのでしょうか?他の除菌法とともに、効果を検証した実験結果をお伝えして、どうすれば、スポンジを衛生的に保てるのかを考えてみます。
スポンジの除菌方法の紹介
- 除菌方法①:除菌効果のある食器洗い用洗剤を使用する
- 除菌ができる食器洗い用洗剤を表示通り約8mlスポンジ全体によく浸透させ、次に使うまでそのまま置いておく。(今回の実験では24時間)
- 除菌方法②:台所用漂白剤を使用する
- 台所用漂白剤を表示通り5Lの水に約6ml入れ、スポンジを完全に沈ませる。
約2分間浸した後、良くすすぐ。(長時間浸すと変色するものもあります) - 除菌方法③:スポンジを煮沸する
- スポンジを沸騰したお湯で約10分間煮沸させる。
(スポンジによっては、千切れたり繊維くずが出てしまうおそれがあります)
スポンジ除菌は表示通りに実施してください。
濃度や時間を変えると、除菌効果が失われたり、スポンジをいためたりします。また、②と③の除菌法は、除菌後にスポンジを早く乾燥させることが重要です。
スポンジの除菌効果の検証実験
実験方法
- 使用済みの1つのスポンジを水洗いのみ行う。スポンジに含まれる水分を絞って、はさみで24等分に分割する。
- 1.で24等分したスポンジの中から無作為に3つ選んで、前項で紹介した除菌方法①~③の方法でそれぞれ除菌する。
- 水洗いのみと除菌方法①~③の方法で除菌したそれぞれのスポンジ中の細菌数を比較して、除菌効果を検証した。
除菌効果の検証結果
最も除菌効果があったのは、煮沸する方法でした。水洗いで24,000,000も残っていた細菌が、200未満まで減少しています。(200未満とは:検査で調べることができる最小の数) ですが、スポンジを直接煮沸する方法は、加熱により劣化を早め、かけらが生じやすくなり、異物混入につながるおそれがあります。 また、除菌できる食器洗い用洗剤や台所用漂白剤による方法も、有効な除菌方法であると分かりましたが、それでもスポンジにはかなりの細菌が残っています。 除菌も良いのですが、スポンジにいる細菌の繁殖を防ぐには、日頃より乾燥させておくことがとても大切になります。スポンジを2つ以上用意して、交互に使用できるようにして、乾燥させる時間を長く設けると、とても衛生的に保てます。 また、古くなったスポンジは、細菌が繁殖しやすくなるばかりでなく、泡立ちも悪くなってしまいます。スポンジはこまめに交換して、いつも清潔なものを使えると良いですね。
スポンジは消耗品です。早めの交換を!
確実に乾燥させるために、複数個のスポンジを用意して、交互に使いましょう!