グリホサート(除草剤)をめぐる情報について
グリホサートは世界的に広く使用されている除草剤です。発がん性や輸入食品からの検出、海外の裁判などについてさまざまな情報が発信されています。ここでは、グリホサートについて現在わかっていることを整理してお知らせします。
発がん性について
IARC(国際がん研究機関)は、グリホサートを「ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2A)」に分類しています。一方で、IARCの分類は物質の性質(ハザード)を評価したものであり、実際の摂取量を考慮したリスク評価とは異なります。世界各国のリスク評価機関では、通常の使用や摂取による発がんリスクは認められていません。
また、米国で行われた裁判が話題になることがありますが、裁判で争われる論点と、科学的な安全性評価は必ずしも同じではなく、裁判の結果だけで安全性を判断することはできません(※補足へ)。
輸入小麦などから検出されることについて
輸入小麦などからグリホサートが検出されることがあるのは事実です。しかし、国産農産物と比べて特に検出割合や残留濃度が高いというわけではありません。また、検出された場合でも残留基準値を超えるものではありません。東海コープでも、残留農薬の状況について情報収集や確認を続けています。
海外と比較して規制が緩いということについて
残留基準値が海外に比べて数百倍高い(緩い)という指摘がありますが、逆に日本の方が厳しく設定されている農産物もあります。残留基準値は、それぞれの国の食生活や農産物の生育環境などを考慮して設定されています。そのため、小麦では海外の方が厳しくても、別の農産物では日本の方が厳しい場合があります。国ごとの基準の違いは、農産物の生育環境や食文化の違いによるもので、一概にどちらが厳しいとは言えません。特定の農産物だけを取り上げて基準値を比較しても、国全体の基準の厳しさを判断することはできません。残留基準値は、さまざまな食品を食べた場合でも安全性の指標であるADIを超えないよう設定されています。
グリホサートについては現在もさまざまな研究が行われています。今後も新しい知見にも目を向けながら、安全性評価の動向を確認していきます。
※補足 米国の裁判について
「米国の裁判で原告が勝訴した=発がん性が認められた」という報道もありますが、米国カリフォルニア州の第1審裁判は発がん性の有無ではなく、容器に注意書きが記載されていたかが争点になっています。また、米国の最高裁は2026年6月に「米国EPA(環境保護局)が承認した「発がん性なし」を農薬製造メーカーが勝手に変更することはできない」とする判決を出しました。これは最高裁が発がん性を否定したとも受け止められ、これまでの裁判の流れを大きく変えるものになるともいわれています。
米国では製品の安全性をめぐる訴訟が数多く行われています。裁判の結果と科学的な安全性評価は必ずしも同じではなく、分けて考える必要があります。