お弁当づくりで気を付けたいこと
2023年7月2週(28号)食中毒予防には、細菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」の3つの原則が大切です。今回はお弁当を安全においしく食べてもらうために、気を付けたいポイントをお伝えします。
①「つけない」
- お弁当づくりをする前に手を洗いましょう。
- 生肉や魚介類には食中毒菌が付いている恐れがあります。これらの食材を触った手や器具をよく洗うことで、他の食材に食中毒菌をつけるのを防ぎましょう。
- お弁当箱に詰める際は、清潔な菜箸や使い捨て手袋などをつけておこないます。
- 生野菜には、細菌が意外と多くついています。よく洗い、よく水分をふきとってから使いましょう。ミニトマトのへたの周りのくぼみは、細菌が残りやすいところです。へたを取り除き、洗ってから使いましょう。
②「ふやさない」
お弁当は家での食事と違い、調理してからすぐに食べることができないことがほとんどです。その時間に細菌を「ふやさない」工夫が必要です。
- 水分が多いと細菌が増えやすくなります。汁気の多い煮物などは、詰める前に汁気をよくきりましょう。
- 中身が温かいうちに蓋をすると、蒸気で水分がついてしまいます。冷めてから蓋をするようにしましょう。
- 長時間持ち歩く場合は、保冷剤や保冷バッグを使いましょう。
③「やっつける」
- おかずは、しっかり加熱しましょう。半熟ではなくしっかり中心まで火を通します。
最後に…
お弁当をつくる人がどんなに気を付けても、食べる時に細菌を付けてしまったら元も子もありません。食べる前にしっかり手を洗いましょう。手洗いができない時はウェットティッシュなどを利用して清潔な手で、お弁当をおいしく食べましょう。
食中毒菌である黄色ブドウ球菌は、私たちの手や顔などに存在します。特に傷があったり肌が荒れていたりすると、より多く付着しています。調理をする時に手を洗ったり、手袋をつけたりした方がよいのはこのためです。また、鼻をかんだ後なども手を洗いましょう。黄色ブドウ球菌の食中毒は、菌が増殖する時に産生する毒素によるものです。この毒素は加熱してもなくならず、毒性を保ったままです。予防するには、この細菌を「つけない」ことが何よりも大切です。