食品への「におい移り」にご注意ください
2023年4月3週(16号)今から15年ほど前、「カップラーメンを食べようとしたところ異臭がする」とのお申し出に対する調査で、防虫剤の成分が検出されたことがありました。「薬剤の混入事件があったの!?」とびっくりされた方もいるかもしれませんが、これは家庭で長期保存していたカップラーメンの近くに防虫剤が置いてあり、そのにおいが移ったことが原因でした。未開封でもにおいが移ることは広く知られていないようです。今回は、食品へのにおい移りをテーマにお知らせします。
においの粒子は思ったより小さい
密閉し、包装されている食品であれば、においが移るようなことはなさそうに思いますが、包材の素材や、においの成分によっては、においの粒子を取り込んでしまう場合があります。一般的に使用されるポリ袋やジッパー袋などの薄いフィルムでは、ほこりや水分は防げても、においの粒子は通り抜けてしまうことがあります。
ラーメン(袋麺・カップ麺)、パン、小麦粉、砂糖など長期保管する場合は、近くににおいが強いものがないようにしましょう。
未開封でも密封されているとは限らない
お米の包材はお米自身が呼吸しているため、小さな穴が開いていて、においが移りやすい状況にあります。におい移りの他にも虫の侵入やカビなどの恐れがあるので、長期保管は避け、プラスチック製の密封容器などに移すことをおすすめします。
冷蔵庫や冷凍庫の中も気を付けましょう
例えば、牛乳はにおいを吸収しやすい食品です。キムチや漬物など、強いにおいのするものが一緒にあると、冷蔵庫の中でもにおい移りの心配があります。
また、冷凍庫も食材を長期保存することがあるので、においが移ることがあります。特に冷凍食品など油で処理された食材は、においを吸着しやすい傾向があるようです。冷凍の加工食品は何層も素材を重ねた、におい移りしにくい包材が使用されていることが多いようですが、開封後は袋を移し替えるより、同じ包材を使って口をクリップなどで硬く止めて保管した方が、におい移りを予防できるそうです。
食品業界では、におい移り対策として包材を工夫するようになってきています。しかし、家庭で長期保管する時は、その周りのにおいにも気を配りましょう。