おいしくって安全なおはなし

農薬(殺虫剤)のヒトへの影響について

2021年12月4週(51号)

農薬として病害虫の防除に使用される殺虫剤。「虫が死ぬのだから、人にも有害?」と不安になることもありそうです。確かに虫が死ぬ農薬が残った農産物は気になりますね。今回は農薬の殺虫剤のヒトへの影響等についてお知らせします。

殺虫剤の虫とヒトへの有害性の違い

多くの殺虫剤はヒトに対する毒性は軽微です。それは、虫とヒトではからだのつくりが異なることによります。ヒトは脱皮をしませんし、卵も産みません。こうしたヒトと虫の違いを利用して、例えば脱皮をさせないようにするなど虫には有害であってもヒトには影響し難い化学物質が農薬として利用されています。
また、虫とヒトでは身体の大きさもずいぶん違うので、同じ量でも影響はかなり異なります。
前述のように生物種間で作用の違いがあることを「選択性」があると言います。農薬の開発にあたっては、このような「選択性」の向上が追及されることがヒトへの影響が少ない農薬の開発につながります。
農薬(殺虫剤)の使用にあたっては、標的の虫に効果があり、そのうえで残った農薬がヒトに悪影響を及ぼさないように農薬の使用方法や残留基準※が決められています。

※残留基準
その農薬を一生涯通して毎日摂取し続けても健康に問題のない量のこと。農産物と農薬の組み合わせごとに決められています。

農産物に残る農薬(残留農薬)の実態

それでも、農産物を口にするとき農産物に残っている「残留農薬」は気になりますね。「残留基準値」が守られているかぎり、農薬(殺虫剤)に対する健康影響はありません。
また、東海コープでは独自の商品検査センターで残留農薬を検査しています。その検査結果から、多くの農産物で残留農薬が検出されない、または残っていたとしても残留基準値の1/10以下がほとんどであることが分かっています。
健康被害を起こさないための残留基準が決められているうえに、実際の残留量はそれよりはるかに少ないということです。

東海コープではこのような残留実態が続いていることを確認するために計画的に農産物の農薬の検査を行っています。
また、農薬の使用を減らす努力している生産者を応援する「栽培自慢」のマークがついた農産物もぜひチェックしてみてください。