おいしくって安全なおはなし

野菜摂取の重要性 ~食物繊維~

2021年10月3週(42号)

野菜を1日350g以上を目標に摂取しましょう!
これは厚生労働省が進める「21世紀における国民健康づくり運動〈健康日本21〉」の中で目標とされている数値です。野菜には人の体の代謝や、栄養素の吸収を助けたりするミネラルや食物繊維が多く含まれているからです。
今回は、体内には吸収されませんが、健康のためには重要な役割を果たしていて、第六の栄養素ともいわれ注目されている食物繊維についてのお話です。

食物繊維とは

ヒトの消化酵素で分解されることはなく、水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維とに大別されます。また、消化されないため、エネルギー源にはなりません。

食物繊維の吸収と働き

水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になり、小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。また、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させたり、ナトリウムを排出する効果もあります。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにしてくれます。
また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。

食物繊維1日の摂取基準

生活習慣病の発症予防を考え、食物繊維の摂取目標は1日あたり男性18~64歳は1日21g以上、女性は18g以上と設定されています。
このジャーサラダ、野菜は250g入っています。八訂食品成分表示より算出すると、エネルギー68.1kcal、たんぱく質3.03g、脂質0.51g、炭水化物16.28g(食物繊維4.66g)、食塩相当量0.04gでした。
意外と食物繊維が摂れていない(目標の26%)ことを実感しました。生野菜で食べることは大変なので、これからの季節、豚汁や鍋などで、根菜類、きのこ類もたっぷり入れると摂取しやすくなりますよ。


ジャーサラダの中身

食物繊維は野菜類、穀類、豆類、きのこ類、いも類に多く含まれています。種類によって生理作用が違いますので、色々な食品を組み合わせてバランスよく摂取することが大切です。