おいしくって安全なおはなし

バナナの農薬、実際のところは?

2021年7月4週(30号)

ネットの情報や雑誌などでは、バナナについて、こんな“うわさ”を耳にしたことはありませんか?「バナナは農薬がたくさん残っていて、両端を取り除いて食べた方がいい」
今回はバナナの農薬事情についてのお話です。

バナナの農薬残留の実際

東海コープ商品安全検査センターでは残留農薬検査を過去20年間実施してきましたが、バナナから高濃度の農薬や防かび剤が検出された例はありません。検出されないか、検出されても他の野菜や果物と同じような濃度のものです。したがって、バナナだからといって高濃度の農薬が残っていると心配しすぎる必要はありません。また、バナナの農薬検査は「皮を含めた部分」で行われます。農薬は一般的に、外側の皮の部分に残る場合が多いので、検出されたものも、食べる場合には取り除かれている可能性が高くなります。

両端を取り除くと有効?

バナナの「両端は農薬が多くついているので取り除いたほうが良い」という話をよく聞きます。しかし、実際はこのような事実はないようです。仮に、両端ばかりを集めて食べたとしても実際の残留実態を考えたら、気にするほどのことではないようです。
また、前述のようにバナナの農薬の残留基準は皮を含めた基準であり、一般的には皮を剥いて食べるバナナの安全性はより高いと考えてもよさそうです。

“うわさ”に左右されずに…

私たちの生協では、バナナも含め、実際に扱っているものを検査して安全性を確かめています。インターネットなどを通じて“うわさ”のような情報もまことしやかに伝わり人の行動を左右するような時代ですが、生協は検査結果などのきちんとした科学的情報にもとづき、地に足のついた事業活動をしています。
バナナは栄養価も高く、また子どもから大人まで手軽に食べられる果物です。生協の扱い品目は産地の栽培内容も明確ですし、これからも定期的に検査を行っていきますので、端を捨てるような“もったいない”ことをせず、安心してお召しあがりください。