おいしくって安全なおはなし

食品のカビについて知っておきたいこと

2021年6月3週(24号)

ジメジメした梅雨時、楽しみにとっておいた食品にカビが生えてしまったらどうしていますか?カビの部分を取り除いて食べようかな…。今回は食品にカビが生えたときに知っていただきたいお話をまとめました。

食品にカビが生えてしまったら

多くのカビは食品の味やにおいを変え、品質を劣化させるだけですが、中にはアレルギーや食中毒、そしてがんの原因になるおそれがあるものもいます。
目に見えるカビを取り除いても、目に見えないカビの菌糸(きんし)と呼ばれるものが食品の奥や表面全体に広がっていることがあります。
このような可能性を考えて、カビの生えた食品はたとえ取り除いたり加熱したとしても食べない方が得策です。
また、カビの胞子は飛びやすいので袋などに入れて速やかに廃棄処分しましょう。

食品をカビから守るには

食パン
小分けして冷凍保存すればカビが生えることなく、2~3週間ほどはおいしさも保たれます。冷蔵庫での保存ではカビの発生を防ぐことができないうえ、主成分であるデンプンが劣化し、水分も抜けてパサパサになりやすいためお勧めできません。
野菜
カットしたらカボチャは日持ちしません。カビの生えやすい種とワタの部分を取り除いて保存し、なるべく早く使い切りましょう。
お米
米袋には通気性を保つための細かな穴があけられています。この穴から水分が侵入すると、カビの原因となります。米は密閉容器で保存し、湿気を寄せ付けないようにしましょう。丈夫な密閉容器に移すことで、虫やにおい移りの予防にもなります。

カビが増えるためには酸素が必要です。カビの防止には真空パックや脱酸素剤を入れるのが効果的です。しかし、カビ以外の微生物には酸素がなくても増えるものがあります。食品の保存の基本は、清潔な容器等に入れ、低い温度で保存し、なるべく早く食べることです。