おいしくって安全なおはなし

気になる農薬の残留基準と残留実態について

2021年3月3週(11号)

農薬は残留基準が守られていれば「安全」といわれますが、やっぱり気になるものです。一方で、人間がつくり出した農薬は使い方を間違えれば「毒」であることには変わりありません。今回は、農薬の残留基準と残留実態から農産物の安全性について考えてみます。

残留基準とは

私たちは毎日様々な食品を食べることを通じ、微量の農薬を摂取する可能性があります。したがって、健康に悪影響が出ないようなルールづくりが必要です。このルールのひとつが残留基準です。
様々な試験を行って人に悪影響が出ない量(毎日一生涯食べ続けても悪影響がない量)を調べます。この量を参考に、より安全を見込んで、100分の1にした量をADIといいます。
ADIの量までなら、毎日食べ続けても健康に悪影響がないことになります。したがって、残留基準いっぱいまで農薬が残った農産物を食べ続けても安全であると考えられます。

〈残留基準の例 単位ppm(有機リン系殺虫剤クロルピリホスの場合 一部抜粋)〉
米(玄米) きゃべつ トマト バナナ りんご いちご
0.1 0.05 0.5 3 1.0 0.2

※上記のように農産物ごとに残留基準が決められています。

残留基準は守られているか

残留農薬の安全性は残留基準が守られていることが前提です。残留基準を超えないようにするために、農薬の使い方が(使用する時期や回数など)厳格に決められています。万が一残留基準を超えた場合は食品衛生法違反となり、生産者は大きなダメージを受けるため、決められた使い方を守ります。
残留基準が守られていることは、東海コープ商品検査センターの検査結果でも確認ができています。

残留実態は

2019年度に行った残留農薬検査では、農産物など266品の検査のうち何らかの農薬が検出されたものは151品でした。
また、検出された農薬の量は基準の10分の1以下がほとんどであることも分かっています。

※農薬が検出された農産物の94%が基準の 10分の1以下であることが分かります。

農薬の使用を「減らす」事にこだわらなくても、実際の残留は想像以上に少ないようです。それでも気になる方には商品案内で農薬を使用しない「有機」や農薬を減らした「特別栽培」「栽培自慢」をご案内しています。