おいしくって安全なおはなし

アニサキスによる食中毒について

2019年6月3週(25号)

アニサキスによる食中毒とは

アニサキスは寄生虫の一種で、本来はクジラやイルカなどの海洋ほ乳類の消化管に生息しています。 ヒトに食中毒を起こすのはその幼虫で、サバ・アジ・サンマ・カツオ・イワシ・サケ・イカなどの魚介類に寄生しています。 アニサキスの幼虫は、ヒトの体内では成虫になれないため通常は排泄されますが、 寄生している魚を生で食べた時、まれにヒトの胃や腸壁に侵入し、多くが8時間以内に、主に激しい腹痛を生じます。 吐き気・おう吐・ジンマシンなどの症状を伴う場合もあります。

アニサキス食中毒の増加の理由

アニサキスによる食中毒は2013年から報告されるようになり、アニサキスの感染を食中毒として届け出るようになった結果、近年増加傾向にあると考えられています。

また、生鮮食品の低温流通システムの発達により、遠隔地で水揚げされた新鮮な魚介類を生で食べることが出来るようになったのも、アニサキス食中毒が増加した原因の一つと考えられます。

アニサキス食中毒の予防

加熱調理(70℃以上もしくは60℃で1分間)と凍結(マイナス20℃で24時間以上)が予防策として効果的です。 通常の料理で用いる程度のワサビ・醤油・酢などではアニサキスは死なないため予防にはなりません。

アニサキスは、寄生している魚介類が死亡し時間が経過すると、内臓から筋肉に移動します。そのため、購入する際は、より新鮮なものを選び、 丸ごと一匹買った場合は速やかに内臓を除去し、低温(4℃以下)で保存しましょう。

商品案内の冷凍の魚介類は、鮮度が保たれるだけではなくアニサキスの食中毒対策にもなっています。 調理時にアニサキスを発見したときは、取り除けば安全にお召しあがりいただけます。 気持ちの良いものではありませんが、天然特有のものとしてご理解いただければ幸いです。