おいしくって安全なおはなし

細菌を「増やさない」ためには?
食品の温度管理のお話

2019年6月1週(23号)

食中毒予防は、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の三原則を守ることが基本となりますが、夏に向かうこれからの季節は特に、「増やさない」工夫が必要です。

私たち人間にも住みやすい気温があるように、細菌にも増えやすい温度帯があります。図にあるように、食中毒や腐敗に関係する細菌が増殖する最適温度帯は、一般的に20~45℃といわれています。 食品をなるべくこの温度にしないことがポイントです。食品衛生に関わるいくつかの工夫を、温度管理の視点から見てみましょう。

お弁当の具材を詰める時は温度に気をつけましょう

お弁当は調理してから食べるまでの時間が長くなるため、特に「増やさない」工夫が必要です。お弁当の袋に冷媒を入れることも一つですが、食品の詰め方にも注意しましょう。

具材を冷ましてから入れることで、お弁当箱の中が温かい状態が長く続くのを防ぎます。増殖しやすい温度帯から早く温度を下げられるように、という工夫です。

逆に保温のできるお弁当箱ならば、熱いまま詰め、増殖しやすい温度帯よりも高い温度で保っておくことも、細菌を「増やさない工夫」です。

余ったカレー小分けして冷やしましょう

余ったカレーなどを冷凍する場合、小分けして冷ますのは手間がかかりますが、増殖しやすい温度帯に置かれる時間をなるべく短くできます。 ジッパー袋で冷凍する時に、薄く伸ばすことでも温度を早く下げることができます。

食材の解凍は冷蔵庫で

室温が上がるこれからの季節は、室温での解凍は、細菌の増殖しやすい温度帯に長く置かれる可能性があります。 また、電子レンジで解凍する場合は、食材に温かい箇所ができてしまうことがありますので、解凍した食材は速やかに加熱調理しましょう。

そのまま食べる食品の解凍は、冷蔵庫で行いましょう。解凍後は早めにお召しあがりください。