おいしくって安全なおはなし

残留農薬、洗えば落ちる?

2019年1月5週(5号)

野菜や果物を栽培するときには害虫や病原菌に対抗するために農薬を使用することがあります。 作物に付着した農薬は雨で流れたり、太陽光などで分解したり、揮発して減っていきます。それでも残ったものが残留農薬です。

残っても安全な量になるように農薬の使用方法が決められていますが、食べる側にとってはその農薬が残っていることに漠然とした不安のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回のテーマは家庭でできる農薬を減らす工夫についてのお話です。

水洗い・茹でる

流水洗いやこすり洗いをすることで付着した農薬を少しは洗い流せます。また農薬の種類によっては、作物を茹でたりその茹で汁を捨てることでも大きく減ることもあるようです。そうは言っても、形や柔らかさによってはこすり洗いや茹でることのできないものもあります。また、しつこく水洗いをすることで大切な栄養素が溶け出してしまう、なんてことも考えられます。

農薬を減らす意味では、水洗いや茹でることは必ずしも有効な方法とは言えなさそうです。しかし、水洗いは有害な細菌類を洗い流すこともできます。

皮をむく・外葉をとる

農薬は外側に付着している場合が多く、外葉をとったり皮をむくことで多くの農薬を除去することができるようです。 右の図は農薬が検出された桃をこすり洗いしたものと、皮をむいたもの、それぞれの農薬の除去率をグラフにしています。
(愛知衛生研究所のデータより)

家庭で残留農薬を減らす努力をしなくても、適正な方法で農薬が使用され、決められた値以下の農薬であればその作物を食べても決して問題はありません。生協の検査センターで行った検査結果でも残留量は適切なものがほとんどでした。

生協では適切な管理がされた農作物を取り扱うだけでなく、農薬検査を毎週実施しながら農薬の残留状況をチェックしています。

安心して生協の農産物をご利用ください。