おいしくって安全なお話2025年44号(”不安”を”理解”に変える!2週連続特集:農薬(2)生協の残留農薬検査)
44号‗”不安”を”理解”に変える!2週連続特集:農薬(2)生協の残留農薬検査.pdf
前回のこのコーナーでは農薬の役割をお伝えしました。生協でも、有機栽培や栽培自慢の商品などの取り扱いを進め、農薬に頼らない農業を支援する取り組みを続けていますが、農薬を 使用しないようにするのは簡単ではありません。いくら残留基準が守られているとはいえ、実際にどれだけ農薬が残っているかは気になるところです。今回はそんな農産物の安全性を科学の目で確かめている、生協の農薬検査のお話です。
●生協の残留農薬検査
私たちの生協には独自の検査センターがあり、そこでは残留農薬の検査も実施しています。主に検査するのは農産物ですが、冷凍食品やミールキットなども検査をしています。一度に約250種類の農薬を0.01ppmというごく微量(一億分の一)までどれくらい残っているかを確かめることができます。残留農薬検査は高度な検査技術や高額な機器と施設の設備が必要で、実施できる施設は多くありません。
●検査の結果は?
2024年の検査では、検査をした商品のうちの約半数のものか1~数種類の農薬が検出され、残りの半分は250種類すべて農薬が検出されない結果でした。また、検出された農薬についても、そのほとんど(93%)が残留農薬基準に対して10%以下の値でした。農薬は「使う」「使わない」が気になってしまうのですが、実際には使っていてもそれほど残っていないという事が分かっています。(残留農薬基準は、健康に悪影響がないように決められた値)
●検査結果の活用は?
私たちの生協では、検出された農薬が残留農薬基準内だったとしても、基準の半分を超えた場合は、結果を産地にお知らせしています。今までの検査結果から通常の農薬残留は低く 抑えられていることがわかっているので、半分を超える濃度の残留があった場合は、産地での農薬使用が適切だったかを確認して、次の栽培計画に役立てていただくことにしています。また、有機栽培(農薬を使用しない栽培)の農産物を取り扱う場合、生協では産地の確認をするとともに、検査センターの残留農薬検査という科学の目で確かめることができます。「生協自らの検査で品質を確かめたい」という組合員の願いから設立された商品検査センター。食の安全安心を科学の力で確かめて正確な情報発信をしています。
東海コープ