おいしくって安全なお話2023年11号(有毒植物による食中毒)
「有毒植物」による食中毒といわれても現実味がないかもしれません。しかし、平成23年~令和2年の10年間で14人もの人が「有毒植物」を食べて亡くなっていると聞くとびっくりしませんか?この期間には亡くならずに済んだものの、約800人の人が「有毒植物」で食中毒になっています。今回は事故の多い事例を中心に、身近な「有毒植物」を紹介します。
●過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成23年~令和2年)
食べた有毒植物 名間違えやすい食用植物の例 患者/死亡者数(人)
・スイセン ニラ、ノビル、タマネギ 207 / 1
・ジャガイモ ※ 285 / 0
・チョウセンアサガオ ゴボウ、オクラ、モロヘイヤ、アシオタバ 36 / 0
・バイケイソウ オオバビボウシ、ギョウジャニンニク 40 / 0
・クワズイモ サトイモ 40 / 0
・イヌサフラン ギボウシ、ギョウジャニンニク、ジャガイモ、タマネギ 24 / 10
・その他 サトイモ、ヒョウタン、カラシなど 161/3
表:食と健康2022.3月号より抜粋
※親芋で発芽しなかったイモ、光にあたって皮が緑色になったイモの表面部分、イモの芽や付け根部分を食した。
間違えやすい「有毒植物」については、各行政等のWebサイトで詳しく紹介されています。
「有毒植物による食中毒に注意しましょう」厚生労働省
「野菜・山菜とそれに似た有毒植物」農林水産省
●「有毒植物」による食中毒予防のポイント
・良くわからない植物は絶対に「採らない」「食べない」「人にあげない」こと
・専門家の指導で、「有毒植物」の正しい知識と見分け方を習得すること
・「中毒だ」と思ったら、直ぐに医師の診断を受けること。また、食べたものが残っていたら、受診の際に持参すること
(食と健康2022.3月号より)
「天然」「自然」というと安全なイメージがありますが、決してそうではありません。添加物や農薬は、リスク管理の仕組みの中で一定の安全レベルが保たれていますが、有毒植物から身を守ることができるのは自分自身です。
東海コープホームページに「おいしくって、安全なおはなし」のバックナンバーがあります。
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