おいしくって安全なおはなし

ショートニングって何だろう?

2023年9月2週(37号)

ショートニングって何か知っていますか?
聞いた事はあるけど、どんなものか知らない人も多いのではないでしょうか。
また、トランス脂肪酸を心配される方もいらっしゃるようです。今回はショートニングについてお伝えします。

ショートニングって?

ショートニングは、植物、動物油脂が原料の白色で無味無臭の油脂です。パンやお菓子を、口あたりがよい軽い食感に仕上げてくれます。固体、液体、粉末のものがあり用途によって使い分けられています。

マーガリンとどう違うの?

マーガリンは、ショートニングと原料は同じですが、乳成分・食塩・ビタミン類などを加えて乳化したものです。マーガリンが15%程度の水分を含むのに対し、ショートニングは水分をほとんど含んでいません。

パンで使うと…

ショートニングをパンの生地に加えると、生地の伸びがよくなりパンの形成がしやすく水分の蒸発を防ぎ、翌日でもサクサクです。またショートニング自体が無味無臭なので、他の食材の香りや味をいかすことができます。

揚げ物に使うと…

ショートニングは常温では固形のため、揚げ物に使用すると冷めても油がとけださないので、時間がたってもサクサク感を保つことができます。

ショートニングとトランス脂肪酸

トランス脂肪酸はショートニングやマーガリンを製造する過程で生成され、多く摂ると心疾患のリスクが高まります。海外では規制をしている国もあり、主だった規制をしていない日本は甘いのではないかという意見もありますが、これは食生活の違いによるものです。WHOは人がとるエネルギーのうち、トランス脂肪酸の割合は1%未満が望ましいとしています。米国ではその数値が2.2%であったため、規制するなどの対応が必要でした。それに対し日本では平均0.3%で、特に問題はない状態です(2012年 食品安全委員会の評価)。そのうえ、日本でも企業が自主的にトランス脂肪酸の削減に努め、以前よりも含有量は減少しています。揚げ物ばかり食べたり、お菓子ばかり食べたりといった偏った食生活をしなければ、特に心配する必要はありません。「栄養バランスのよい食事を心がけることが大切」です。