おいしくって安全なおはなし

農産物の農薬に関わる表示ってどうなっているの?

2023年8月4週(34号)

野菜や果物を買うときに、どんな基準で選んでいますか?お値段、産地、鮮度?農薬の使用状況なども気になりますね。
今回は農産物の農薬に関わる表示についてお話します。

農産物の表示で禁止されている「無農薬・減農薬」

栽培期間中に農薬を使用しなくても、土壌に残っていたり周囲から飛散したりして、農薬が農産物に残ってしまう可能性があります。そのため、農薬を使用せずに栽培しても「無農薬」と表示することは、農産物に全く農薬が残っていないような誤解を与えてしまうおそれがあるので、現在は禁止されています。
また、「減農薬」の表示も、どのくらい削減しているのか不明確であるため、表示禁止です。
どちらも消費者に誤解を与えないように決められたことですが、産地で農薬をなるべく使わない努力をして栽培された農産品を、私たちが誤解なく知ることはできないのでしょうか?

有機栽培農産物

有機栽培農産物はJAS法(日本農林規格等に関する法律)の基準に沿って栽培され、 第三者機関により認証を受けた農産物や農産物加工食品です。遺伝子組換え由来の種苗を使用しない、栽培する場所は種をまく2年以上前から化学合成農薬や化学肥料を使用しない、隣接地からの農薬飛散を防止するなどの基準を満たす必要があります。 右の「有機JASマーク」を付けることができ、このマークがないものに、「有機」や「オーガニック」などの名称の表示や、これと似た紛らわしい表示をすることは法律で禁止されています。

特別栽培農産物

生産された地域の一般的な栽培方法に比べて、農薬の使用回数が50%以下、かつ化学肥料が50%以下で栽培された農産物は「特別栽培農産物」として、以下のような表示ができます。「特別栽培」と表示されていれば、少なくとも農薬も化学肥料も一般的な慣行栽培より、半分以下であることがわかります。

<表示例> ※節減対象農薬とは法律で定められた化学合成農薬を指します

節減対象農薬※:栽培期間中不使用 化学肥料(窒素成分):当地比5割減

節減対象農薬※:●●地域比7割減 化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用