おいしくって安全なおはなし

放射性物質って今は安全なの?

2023年7月3週(29号)

原発の事故から10年以上が経過し、放射性物質の話をニュースで聞くことも少なくなりました。でも処理水の排出があると聞くし…気になることもありますよね。今回は放射性物質の検査状況と、いわゆる「処理水」のことについてお知らせします。

今も検査はしているの?

東海コープの商品検査センターでは現在でも放射性物質の検査を継続しています。2022年度では74商品の検査を行い、すべての商品で放射性物質は検出されませんでした。実は2014年以降の検査では、すべて不検出の状況が続いています。
一方、国による検査では野生の鳥獣類、野生の山菜類、野生のきのこ類、特定の水産物(除染作業ができない川の魚と、水深の深い場所で漁獲された流通の少ない海水魚)で検出事例がありますが、これらは除染などができない特定の生息域の野生生物に限った話であり、一般に流通するものではありませんのでご安心ください。

処理水は問題ないの?

報道でよく目にするようになった「処理水」という言葉ですが、正しくは「ALPS処理水」といいます。よく話題に上がるセシウムやヨウ素などを含めたほぼすべての放射性物質を基準値の1/100以下まで浄化した水のことです。
唯一トリチウムだけ浄化ができませんが、トリチウムは自然界に存在するものですし、海に放出される前に海水で大幅に希釈することになってます。正常に稼働している世界中の原発から海洋放出されているものと比べて特別に多いものではないのでご安心ください。


「ALPS処理水の処理のプロセス」(経済産業省)を加工して作成

似たような名前で「処理途上水」というものもあり、混同されて危険視されることがありますが、これは海に放出されるための処理をまだされていない状態のものです。海に放出される「ALPS処理水」はすべての放射性物質を安全基準値以下に処理されています。

商品検査センターでは今後も検査を継続するとともに情報発信に努めていきます。