おいしくって安全なおはなし

「浅漬け」で食中毒が起きないために
気をつけたいこと

2019年12月3週(51号)

浅漬けといえば漬物の一種で野菜を長期保存する方法の一つと思われがちですが、実は浅漬けは野菜を食べやすくしただけのものであることはあまり知られていないようです。 浅漬けの素などもあり、ご家庭でつくられる方も多いかと思います。

今回は家庭で浅漬けをつくるときの注意点についてです。

浅漬けはサラダに近いもの(保存性は高くない)

浅漬けとは生鮮野菜を調味液に、短時間漬け込んだものです。製造工程には加熱する工程がないため、十分な殺菌が行われていません。 このような製造工程でつくられた浅漬けの保存性はサラダに近いものと考えましょう。

市販されている浅漬けも同様です。冷蔵での保管、開封後の取り扱いに注意しながら食べましょう。

市販品では食中毒も発生しています

浅漬けで食中毒?と思うかもしれませんが、市販品では過去に重い食中毒が何件も発生しています。平成24年8月には、北海道で白菜の浅漬けによる 食中毒が発生し、8名の方が亡くなられています。 これらの事故を受けて、同年10月に浅漬けによる食中毒の発生防止を図る観点から、衛生的な食品の取扱いを定めた「漬物の衛生規範」が改正されました。 浅漬けを製造する施設に対して衛生管理の強化が義務付けられ、大規模な立入調査も実施されています。

家庭で浅漬けをつくる時は製造工場ほどではないにしろ、基本的な衛生管理の徹底は重要です。

ご家庭で浅漬けを漬ける時の注意点

  • 手洗いをしっかり行ってから調理してください。
  • 新鮮な原料を使用し、土などに由来する細菌を流水で十分に洗いましょう。
  • 葉物の野菜は内側もよく洗いましょう。
  • 調味液や野菜は、生肉や生魚と離して調理して、器具も別々にしましょう。
  • 調味液の再使用は避け、室温に放置せず冷蔵庫で保存しましょう。
  • 大量につくらず、できるだけ早く食べきりましょう。